INFORMATION
ディスペンサのナカリキッドコントロールTOP > Information > 8 - ディスペンサを用いたモバイルデバイスへの塗布について

ディスペンサを用いたモバイルデバイスへの塗布について

モバイルデバイスへの塗布

より軽く、より薄くなることが求められるスマートフォンやウェアラブル端末などのモバイルデバイス。
モバイルデバイスの小型化に伴い、基板や集積回路、ローターなども小型化が求められています。
基板のアンダーフィルなどは非常に細かい作業であり、手作業では多くの時間がかかってしまうため、ディスペンサを使用することで手作業よりも高精度かつ高速に液体を塗布することが可能です。
今回は、ディスペンサを用いたモバイルデバイスへの塗布についてご説明します。

モバイルデバイスへの液体の塗布

UV樹脂や接着剤

こちらでは、モバイルデバイスに使用されるUV硬化樹脂や接着剤についてご説明します。

UV硬化樹脂とは

UV硬化樹脂は、紫外線(UltraViolet)が照射されると液体から固体へ硬化する樹脂のことです。
硬化の仕組みは用いられる樹脂の材料にもよりますが、一般的には分子の集合体であるモノマー(液体)が紫外線に当てられることで複数集まって結合し、ポリマー(固体)になります。
UV硬化樹脂の使用例はモバイルデバイスには、プリント基板の組み立てや部品同士の接着、デバイスの保護などが挙げられます。
モバイルデバイスが故障を起こす原因には振動や水分、衝撃、腐食、落下など、さまざまな外的要因があるので、それらを防ぐためにUV硬化樹脂が使用されます。

接着剤とは

接着剤とは、物と物を接合させる材料のことです。
接着の方法は使用する接着剤によりさまざまで、例えば有機溶剤が蒸発する溶剤揮散型や空気中の水分によって硬化する湿気硬化型、空気が遮断された金属と反応する嫌気硬化型、接着剤が冷えることによって硬化する熱溶融型などが挙げられます。
モバイルデバイスの製造において、接着剤は液晶ディスプレイと本体との接着や各部品の接着に使用されています。

ディスペンサに求められる機能

求められる機能

こちらでは、モバイルデバイスを生産する際に必要なディスペンサの機能をご紹介します。

最適な量の液体を高精度に吐出

モバイルデバイスには基板やタッチパネル、カメラモジュールなど、さまざまな小型の部品が多く使われています。
小型の部品に対して手作業で塗布をすると、多くの時間を要してしまいます。
そのため、手作業よりも高い精度でターゲットに塗布ができるディスペンサを使用します。
ディスペンサでモバイルデバイスに液体を塗布する際は、一般的に先端が細いノズルを使用する必要があります。

制御システムの構築

モバイルデバイスもほかの製品同様、吐出するターゲットによってさまざまな液体を使用します。
例えば、基板のアンダーフィルやLEDのポッティング、部品ごとの接着などが挙げられます。
モバイルデバイスを大量生産するためには、最適な量の液体を高精度かつ高速で吐出しなければなりません。
液体を吐出する際の注意点は、液だれや液漏れといった、ターゲット(吐出の対象先)ではない箇所に液体が付着することによる不良品の発生です。
そのため、「設定した箇所に指定量の樹脂を吐出する」といったような制御システムの構築が必要です。

ノズルの形状

モバイルデバイスは正確かつ高速な生産が求められ、部品や用途によって、塗布する液体やターゲットが決まった段階でノズルの形状を選択する必要があります。
例えば広い面に対しては均一な厚みで塗布ができる平ノズルや、液体の吐出先が複数に分かれている多連ノズルなど、吐出先となるターゲットによって最適なノズルを選択します。

おわりに

今回は、ディスペンサを用いたモバイルデバイスへの塗布についてご説明しました。
モバイルデバイスに塗布する液体はUV硬化樹脂や接着剤などがあり、それぞれ塗布先となるターゲットや目的によって使用する液体が異なります。
使用する液体や用途によって、最適な量を高精度かつ高速に吐出するディスペンサシステムを構築することで、より早く、より多く生産し、かつ不良率を下げることができます。