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ディスペンサでうまく吐出ができない場合の確認項目をご紹介

モバイルデバイスへの塗布

定量の液体を高精度に吐出するディスペンサは、さまざまな産業や事業で使用されています。
うまく吐出ができない場合に要因として挙げられるのが、液だれや液もれ、気泡の発生などです。
今回は、ディスペンサでうまく吐出ができない場合の確認事項をご紹介します。

液だれ・液もれが発生する

液だれや液もれの原因は、液体の表面張力が弱いことやノズルのパイプが太すぎることなどです。
表面張力とは、液体の分子同士が引き付けあうことで表面積を小さくしようとする働きのことで、液体の表面にはたらく「こぼれそうでこぼれない」状態のことを指します。
表面張力が強いと液体が垂れにくく、表面張力が弱いと液体が垂れやすくなります。
「たかが1滴」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、1滴で製品の品質を左右することがあります。
例えばスマートデバイスなどの非常に小さな部品の集合体の場合、液だれや液もれが1ヶ所に発生するだけで、液体が付着した箇所の機能が失われてしまうこともあります。
そのため、製造において液だれや液もれは解決しなければならない問題の一つです。
液だれや液もれの対策として、吐出する液体に対して正しいサイズのノズルを選定することや、温度変化によって粘度が下がる液体の場合は、適切な温度調節を行って粘度を保つことなどがあります。

気泡が発生する

気泡が発生する原因は溶存ガスの混入や、原材料入荷時にすでに気泡が含まれている場合などが挙げられます。
こちらでは、気泡が発生する原因と対策についてご説明します。

原材料入荷時にすでに気泡が含まれている

運搬時や製造段階で液体に気泡が含まれてしまう場合を指します。
原材料入荷時に気泡が含まれている場合、攪拌脱泡機などの装置を使用した脱泡が液体の気泡を取り除く有効な方法です。
また液体をシリンジやタンクに詰め替える際に、気泡が混入しないように詰め替える必要があります。

溶存ガスが混入している

溶存ガスとは、ガスが別の物質に溶け込むことです。
例えば水中に含まれる酸素や窒素などが該当します。
溶存ガスが溶け込んでいる際に、圧力や温度といった変化を与えることで、液内に気体が発生します。
通常であれば炭酸水のように液体内に気体があれば気泡として視認することができますが、マイクロバブルやナノバブルのように、視認しにくい(できない)気泡もあります。
溶存ガスを取り除く方法は加熱による脱泡、超音波などを利用した高速で液体を振動させることによる脱泡、遠心力による脱泡、真空効果で気泡の体積を膨張させ排出する方法などがあります。

液体が不安定に吐出される

求められる機能

液体に気泡が含まれることで発生する問題には、液体が不安定に吐出される点が挙げられます。
ディスペンサから吐出する液体に気泡が含まれている場合、ノズルからの吐出時に気泡があることによって、液体が吐出されないタイミングが発生してしまいます。
安定した液体の吐出のためにも、液体の脱泡作業は必ず行うようにしましょう。
一つの製品に、安定していない液体の塗布が見受けられた場合、生産ロット全数の再検品や出荷停止などが発生してしまう可能性があるため注意しましょう。

おわりに

今回は、ディスペンサでうまく吐出ができない場合の確認事項をご紹介しました。
うまく吐出ができない場合の要因には、液だれや液もれなどが挙げられます。
また、液体内に気泡が含まれる場合も安定した吐出ができなくなる場合があります。
安定した吐出だけでなく、塗布する製品の品質を落とさないためにも吐出する液体からは気泡を取り除いておきましょう。