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用語解説 Vol.4:ノズル

金属ノズル

金属ノズルとは、ニードルにSUS(ステンレス鋼)、ボスに真鍮やSUSなどの金属素材が使用されたノズルです。

金属ノズルは後述のプラスチックノズルに比べて耐久性が高いことが特長であり、高温でも変形しにくいため、高温の液体を吐出することができます。
ただし、ニードルやボスが金属製のため、金属に触れると硬化反応を起こす嫌気性樹脂には使用することができません。

ノズルの形状には、先端に向かって細くなるテーパー状の金属ノズルもあり、ニードルがパイプ形状のノズルに比べてノズル内を通る液体の流れが良いことが特長です。

金属ノズルは吐出する液体に応じて、ニードルのサイズ(太さや長さ)、素材のほか、テーパー状のものなど適したものを選定します。
なお、ニードルの内径が広いものの場合、吐出する液体は粘度が高いものを使用しなければ、液だれが発生する原因となるため注意しましょう。

プラスチックノズル

プラスチックノズルとは、ノズル全体がプラスチック製のもので、素材としてはポリエチレンやポリプロピレンなどが使用されています。

プラスチックノズルは素材に金属を使用していないため、金属に触れると硬化反応を起こす嫌気性樹脂を吐出することができます。

プラスチックノズルの素材であるポリエチレンやポリプロピレンは、融点まで加熱するとやわらかくなり、冷却すると硬くなる性質の「熱可塑性樹脂」であり、プラスチックノズルで高温の液体を吐出するとノズルの形状が変化してしまう恐れがあるため、プラスチックの融点を超えないよう、注意が必要です。

プラスチックノズルの中には半透明や透明に近いものがあり、UV硬化樹脂のように紫外線が照射されると硬化する液体を吐出する場合には、それらのノズルを使用すると吐出前に硬化が始まる恐れがあるため注意が必要です。もし、ノズル内部で硬化した場合は、別のノズルに交換しましょう。

また、メーカーによっては誤ったニードルサイズ(太さ)で使用してしまうミスを防ぐ目的として、ニードルのサイズごとに色分けしたノズルをラインアップし、容易に識別できるようにしている場合があります。

シリンジノズル

シリンジノズルとは、シリンジに取り付けることができるノズルです。

シリンジノズルの素材は主にニードルがSUS(ステンレス鋼)製、ボスがポリプロピレンであり、シリンジへのねじ込みを確実に行えるように、ボスの構造が4枚羽根やねじの1ピッチに2条のらせんがある2条ねじになっているものがあります。

シリンジノズルが適用可能な機器としては、液体吐出バルブやシリンジを使用した1液型ディスペンサなどがあります。

曲げノズル

曲げノズルとは、金属製のニードル部を曲げたノズルのことです。

ニードルを45度や90度などさまざまな角度や形状に曲げており、ターゲット(吐出対象先)や使用状況に合わせて製作されます。

曲げノズルは、直線状のノズルでは障害物と干渉して吐出しづらい箇所や側面部分へ吐出したい場合などに使用されます。曲げノズルを使用することでターゲットの向きを変えたり、ディスペンサを傾けたりすることなく液体を吐出することが可能です。

吐出する液体は、直線状のノズルで使用する接着剤やグリースなどを変わらず使用できます。

曲げノズルを取り扱う際は、ニードルに衝撃を与えないよう注意が必要です。もしも衝撃によりニードルの角度が変わると、液体を吐出する位置も変わってしまいます。

中には、直線状のニードルを自分で曲げるなどして加工することを考える方もいらっしゃるかもしれませんが、正しい位置に吐出できなかったり、正しく加工できなかったことで吐出する液体が詰まったりするなどの故障の原因になる恐れがあるため、メーカーに注文をして曲げノズルを製作してもらうようにしましょう。

多連ノズル

多連ノズルとは、ニードルが複数取り付いたノズルです。

多連ノズルの形状には、ニードルがタコ足のように複数付いているものやプレートに複数のニードルが取り付いているものなどがあります。
多連ノズルを取り付けたディスペンサと搬送装置(コンベアなど)を組み合わせて、ターゲット(吐出対象先)を動かしながら複数箇所へ線引き塗布する方法を、メーカーによっては「ラーメン塗布」や「シャワー塗布」と称します。

前述のような、多連ノズルを使用した線引き塗布は、1本のノズルを使用して同じ動作を何度も繰り返しターゲットに吐出するよりも作業時間の短縮や生産性を上げることが可能であり、業務効率の改善を見込むことができます。

線引き塗布以外の使用例には、ターゲット内への複数箇所に吐出する充填作業もあります。ニードルが1本のノズルで吐出した場合、吐出箇所に液体が溜まり全体に広がらず、隅々まで液体が行き渡らないで硬化してしまうことがあり、多連ノズルで複数の箇所から吐出を行うことで、より隅々まで液体が行き渡りやすくなります。

なお、多連ノズルは吐出条件などに合わせた特殊な形状のノズルであることから、特注品である場合が多いため、ニードルの形状や本数、太さ、長さや取付けボスの種類など、詳細な情報をメーカーに伝えましょう。