ディスペンサに使用されるサーボモータについて
ディスペンサには、「サーボモータ」というモータが使用される場合があります。
汎用モータとどのような点が異なるのか、また、どのようなメカニズムで動作しているのかなどについてご紹介します。
サーボモータとは？
汎用モータは、電源に接続するとモータが一定の速度で回転運動して動力を発生させるもので、それに対してサーボモータは、回転力や位置、速度を自動的に制御することができるモータのことです。
「サーボ（servo）」の語源は、奴隷を意味するラテン語の「サーバス（servus）」や英語の「サーヴァント（servant）」といわれており、主人の指示に忠実に動くということに由来して、機器を操作するユーザーの指示通りに動作を自動的に制御し、決められた回転力や位置、速度で忠実に動かしたり、変更したりすることなどが可能なモータであることから、サーボモータと名付けられました。
急激な変動への対応や高速動作に優れているという利点から、高速で精密な制御を行う上で指示通りの動作を行うことが可能です。
サーボモータは、エンコーダ・ドライバ・コントローラ・モータなどによって構成されています。
プログラムに従ってコントローラでドライバに信号を送り、ドライバがモータを動作させます。そしてエンコーダによって回転位置を検出して、ドライバを経由してその情報をコントローラヘフィードバックすることで、プログラム通りに動作しているか確認して制御するという仕組みになっています。
主なサーボモータの種類
DCサーボモータ
直流電源で駆動するサーボモータです。
産業用ロボット用として最初に実用化されたサーボモータで、制御が容易な点が特長です。
ACサーボモータ
交流電源で駆動するサーボモータです。
サーボモータは、産業用ロボット用として最初にDCサーボモータが実用化されましたが、技術が発展したことによりACサーボモータが製造され、今日ではACサーボモータが主流になっています。
DCサーボモータに比べて構造が複雑ですが、巻き線の高密度化や絶縁する技術の進歩などにより、DCサーボモータ以上の制御や小型化も実現しています。
サーボモータには他に、ステッピングモータ、コアレスモータ、DDモータなどの種類もあります。
回転角検出器について
サーボモータには、モータの位置の制御や速度を検出して速度制御を行うなどのために、エンコーダなどの回転角検出器が組み込まれています。
エンコーダとは回転角度や方向などをセンサーにより検出し、電気信号として情報を出力する機器です。
エンコーダの検出方式には、光学式と磁気式があります。例えば光学式の場合、スリットの入ったディスクが光源と受光部の間にあり、受光するまでの時間の長さで回転速度を制御することができます。
また、エンコーダの一種に、電磁誘導によって磁場変化の読み取りを行って回転角を測定するセンサーであるレゾルバがあり、振動などの耐環境性に優れています。
レゾルバには励磁側と出力側の巻き線があり、励磁側の巻き線を交流電圧で励磁することにより、出力側の巻き線に出力電圧が誘導され、回転角により出力電圧が変化するため、その電圧を読み取ることで角度を知ることが可能です。
その他、回転位置を出力信号のON-OFFで表すことで、絶対位置を検出できるエンコーダもあります。
サーボモータを使用したナカリキッドコントロールの製品
ナカリキッドコントロールのディスペンサにはサーボモータを使用した製品があります。
サーボモータによりディスペンサのポンプが動く距離やスピードをコントロールすることで、高精度に液体を吐出することが可能です。
サーボモータを使用している製品の一部をご紹介します。
微少量用2液型ディスペンサ ν(ニュー)シリーズ
ナカリキッドコントロールが得意とする容積計量方式(プランジャポンプ)の微少量吐出用ディスペンサです。
ポンプ部はサーボモータで駆動します。安価でシンプルな1軸タイプのニューⅠと2軸補間制御で細かな比率制御が可能なニューⅡをラインアップしています。
2軸サーボ駆動式 カッパー5 DUAL SERVO
2軸サーボ駆動方式を採用したKAPPA5のバリエーション機です。
2軸サーボ駆動方式を採用したことにより、高い繰り返し精度を誇り、タッチパネルとの組み合わせにより、吐出操作のデジタル化を実現しました。2軸補間制御により簡単に比率・吐出量・速度が設定できます。
タテ型計量ポンプタイプ トリスタン50/100
計量ポンプとタンクが一体構造になったディスペンサです。
ACサーボモータ制御方式のためデジタルスイッチで吐出量、吐出速度を簡単に設定や変更ができます。又、粘度や温度に左右されず、一定の速度で脈動のない高精度な吐出ができます。
おわりに
ディスペンサに使用されるモータの一つである「サーボモータ」についてご紹介しました。
回転力や位置・速度を自動的に制御することができるサーボモータは、ディスペンサの吐出性能をコントロールし、高精度に液体を吐出することが可能です。
ナカリキッドコントロールでは、サーボモータを用したディスペンサをお取り扱いしています。
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